「今、どんな気持ち?」
そう聞かれて、すぐに答えられないことがあります。
嬉しいのか、悲しいのか。
疲れているのか、それとも少し寂しいのか。
自分のことなのに、自分の気持ちがよく分からない。
そんなふうに感じることはありませんか?
私自身も、ときどきそういう日があります。
何かがあったような気もするし、何もなかったような気もする。
でも、なんとなく心が静かすぎるような、ぼんやりしているような感じがする。
前回は、モヤモヤしたときに自分の気持ちと向き合ってみることについて書きました。
でも、ときには向き合おうとしても、そもそも何を感じているのかが分からないこともあります。
今回は、そんなときに私が考えてみたことを書いてみようと思います。
「分からない」と感じるのは、おかしいことじゃない
自分の気持ちが分からないとき、私は少し不安になることがあります。
「自分のことなのに、どうして分からないんだろう」
「ちゃんと向き合えていないのかな」
そんなふうに、自分を責めるような気持ちになってしまうのです。
でも、よく考えてみると、気持ちはいつもはっきりした形をしているわけではないのだと思います。
忙しい日が続いていたり、たくさんのことを考えていたりすると、気持ちが後回しになってしまうこともあります。
感じる余裕がないくらい、頑張っていたのかもしれない。
そう考えると、「分からない」という状態も、今の自分を表している一つの答えなのかもしれません。
だから私は、
「分からないなんて、だめだ」
ではなく、
「今は、分からないんだな」
と思うようにしてみています。
気持ちを見つけるために、試してみたこと
気持ちが分からないとき、私がよく試していることが3つあります。
どれも、すぐに答えを出すためのものではなく、自分の気持ちに少しだけ近づくためのものです。
気持ちより先に、体が教えてくれることもある
気持ちが分からないとき、私は自分の体の様子を気にしてみることがあります。
「最近、肩が重いな」
「ため息が多いかもしれない」
「なんだか眠りが浅い気がする」
「好きなものを食べても、あまりおいしく感じない」
そんな小さな変化に気づくことがあります。
心で感じていることを、体が先に教えてくれている。
そんなこともあるのかもしれません。
「気持ちは分からないけれど、体は疲れているみたい」
それが分かるだけでも、少し自分のことが見えてくる気がします。
気持ちを探す前に、まずは体をいたわってあげる。
温かい飲み物を飲んだり、少し早めに眠ったり。
そうしているうちに、あとから気持ちが見えてくることもあるのだと思います。
小さな「好き」と「嫌」から探してみる
大きな気持ちが分からないときは、小さなことから考えてみるのもいいのかもしれません。
例えば、
「今、温かいものと冷たいもの、どっちが飲みたい?」
「今日の予定で、少し気が重いのはどれ?」
「今日、ほっとした瞬間はあった?」
そんな簡単な質問です。
「本当はどう感じているの?」と聞かれると答えにくくても、
「どっちがいい?」なら、少し答えやすくなることがあります。
小さな「好き」や「嫌」を一つずつ拾っていくと、
「私、今日は一人でゆっくりしたかったのかもしれない」
「あの予定、実は少し不安だったのかも」
と、気持ちの輪郭が少しずつ見えてくることがあります。
自分の気持ちは、一度に全部分からなくてもいいのだと思います。
気持ちに名前をつけなくてもいい
気持ちを知ろうとするとき、私はつい「悲しい」「不安」「寂しい」のように、はっきりした言葉を探そうとしてしまいます。
でも、ぴったりの言葉が見つからないことも多いです。
そんなときは、
「ざわざわしている」
「なんだか重たい」
「胸のあたりがきゅっとする」
「ふわふわして落ち着かない」
そんな感覚の言葉でもいいのかもしれません。
名前がつけられなくても、その気持ちがあることには変わりありません。
うまく言葉にできない気持ちも、ちゃんと自分の気持ちなのだと思います。
答えを急がないという考え方
詩人のリルケは、若い詩人に宛てた手紙の中で、こんな言葉を残しています。
心の中でまだ解けていないすべてのことに対して、辛抱強くあってください。そして、問いそのものを愛するようにしてみてください。
ライナー・マリア・リルケ『若き詩人への手紙』
この言葉を知ったとき、私は少しほっとしました。
分からないことを、すぐに分かろうとしなくてもいい。
答えが出ないまま、問いを持ち続けていてもいい。
そう言ってもらえたような気がしたのです。
自分の気持ちも、同じなのかもしれません。
「私は今、何を感じているんだろう」
その問いを、急いで解決しなくてもいい。
心の中に置いておくうちに、いつか自然と答えが見えてくることもあるのだと思います。
分からないままの自分と一緒にいる
ここまで書いてきて、私が思うのは、気持ちが分からないときにいちばん大切なのは、答えを見つけることではないのかもしれない、ということです。
分からないままの自分を、責めずにそばにいてあげる。
「今はよく分からないけど、それでいいよ」
と、自分に言ってあげる。
そんな時間も、心を整えることにつながっているのだと思います。
ただ、何も感じられない状態が長く続いていたり、毎日の生活がつらくなっていたりするときは、一人で抱え込まずに、身近な人や専門の相談先に話してみることも大切です。
誰かに話しているうちに、自分の気持ちに気づくこともあります。
今日、自分に問いかけてみたいこと
もし今、あなたも自分の気持ちがよく分からないと感じているなら、
「今、体はどんな感じがする?」
「今日、少しでもほっとした瞬間はあった?」
と、やさしく自分に問いかけてみてください。
答えが出なくても大丈夫です。
「分からない」と思えたことも、今の自分に気づけたということなのだと思います。
もし何か浮かんできたら、一言だけメモしてみるのもいいかもしれません。
「少し疲れていた」
「あの時間は好きだった」
「なんだか重たい」
どんな言葉でもいい。
分からない自分も、そのまま大切にしてあげるために。


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